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人生ゲームの攻略法をもっと早く知りたかった。
橘玲さんの新作『人生は攻略できる』を読んで、そんな風に感じました。
私は20歳くらいの時に、橘玲さんの「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」を読み「金融資本」について学びました。
しかし、「金融資本」以外も含めた「合理的な人生設計」についての本が出たのは、最近のこと。
この類の本をもっと若い時に読みたかった。
そうすれば、人生ゲームの進展はもう少し変わっていたかもな、と思います。
アルパカ
目次
「人生は攻略できる」とは?
「人生は攻略できる」のまえがきが無料公開されています。
是非読んでみてください
まえがきで書かれている通り、
- 人生の幸福=「現在のやりがい」+「過去のやりがいの積み重ね」
- 幸福の土台=①お金 ②仕事 ③愛情・友情 の3本柱
というのが本書を貫く主張です。
この「幸福の土台」は別の言い方をすると
- お金=金融資本
- 仕事=人的資本
- 愛情・友情=社会資本
という感じでして、過去の著作で詳しく書かれています。
※「人生は攻略できる」は若者向けで、「幸福の資本論」はちょっと大人向けです
人生をゲームに捉える
人生をゲームとして捉える。
わかりやすい比喩の裏側で、かなり本質をついている(従えばうまくいきやすい)話がたくさんありました。
変化のないゲームは嫌だ(ゲーム性の欠如した物語はつまらない)
変化のないゲームは嫌です。
- ドラクエの最初の村から出られない
- 最初から魔王を倒せる力を持っているので、冒険にならない
となると、明らかにゲーム性がありません。
アルパカ
その観点で考えると「持たざるもの」として「LV1の低パラメータ」で生まれたことは、決して悲観する事実ではありません。
なぜなら物語に必要な要素
- 逆境
- 成長
- 危機一髪
- 大逆転
- ハッピーエンド
を満たすことが出来るからです。
※逆に「持っている人」は、一度「持たない状態」を経由する必要があります
好きを仕事にする(スペシャリスト)になる
人生の選択肢は徐々に減っていきます。
その耐え難い事実を、ポジティブに捉えよう、と著者は語ります。
年をとると「自分の好きなこと、得意なことを見つけて、それに集中する」事ができる。
いや、「集中せざるを得ない」状況になっていくのです。
その結果、生まれるのがスペシャリスト(専門家)です。
ゲーム的に言うと、戦士の道を極めるのか魔法使いの道を極めるのか、みたいな感じですね。
とはいえ現実はやっぱり厳しい(年をとってからのチャレンジについて)
そんなスペシャリストですが、自動的にはなれません。
「早いうちから、様々なチャレンジをする」ことが出来た人のみが到達できます。
また、年をとってからのチャレンジも厳しいのが事実。
ドラクエでいうと、ずっと戦士として50歳まで過ごしてきた人が、いきなり魔法使いになるようなもの。
ある程度の魔法は覚えられるでしょう。
しかしそれは、他の若い魔法使いも使えるような「低級魔法」にすぎないのです。
スペシャリティを探すためには、生まれながらの「キャラクタ」を見る
スペシャリティを探すためには、生まれながらの「キャラクタ」を見るのが良さそうです。
ついつい人は「何者にでもなれる」という幻想を持ってしまいます。
しかし現実は「生まれ」と「環境」で多くのことが決まってしまいます。
一例を上げると、
- 幼少期の集団内のキャラクタが性格を作る
- 知能は人種や親によって半分くらい決まる
という感じ。
※橘玲さんの「もっと言ってはいけない」が難しいけど色々と書かれていて面白いです
生まれながらの「キャラクタ」に従う。
そして「昔から好きなこと」をやる。
これが一番良い戦略です。
というのも、「昔から好きなこと」=「子供の頃、周囲よりちょっと得意だったこと」という、冷たい事実があるから。
そして、好きなことは「自分らしい」とも言えますし、何より「圧倒的な努力(苦にならない努力)」が出来る領域でもあります。
アルパカ
「人生は攻略できる」が過去作と違う所
本作「人生は攻略できる」は、若者向けの本です。
とにかく読みやすい
過去作と違って、橘玲さんの主張はやや「楽観的」といいますか「現実を言祝ぐ」表現が多いなと感じました。
主張の根っこは変わっていませんが、表現がかなり簡単で、わかりやすく書かれています。
アルパカ
逆に、最近出た本だと「もっと言ってはいけない」は面白い半面、かなり読むのが大変でした(知的レベル高すぎ)
この辺りの対象読者に酔って「柔軟」切り替える感じが好みです。
※ちなみに私は著作をだいたい全部買ってます
幸福の資本論で語られなかった「やりがいの積み重ね」
幸福の資本論では、「やりがい」が大事という話がありました。
※非常に合理的な橘玲さんの主張ゆえ、意外でした
本書では、人生の幸福には「やりがいが積み重なること」が大事だと述べています。
- 好きなことに夢中になるのが「やりがい」
- やりがいが積み重なると「生きがい」になる
- ある時点から「生きがい」を振り返ると「幸福な人生」と認識する
という流れです。
この「積み重なる」という観点が、本書で語られる新たなポイントかな、と思います。
※そのこと自体の記述は少なかったですが、観点として「なるほどな」と感じました
橘玲流の「好きを仕事に」論
前作「幸福の資本論」でも語られていた「好きを仕事に」を、より細かく書いたのが本書です。
現実の事例を出しつつ、論理を組み立てて、「故に、好きを仕事にするべきだ」と語っている様は痛快です。
年齢が若ければ「チャレンジするべき」と素直に思えるはず。
【まとめ】「人生は攻略できる」は橘玲入門書としてもオススメ
「人生は攻略できる」は橘玲入門書としてもオススメです。
当記事で書いた「戦略」の他にも、「戦術」についてもたくさん書かれています
橘玲さんの過去の著作の「結論」が広く載っているので、かなりコスパ高めな本だと思います。
※逆に私のような橘玲本をたくさん読んだ人には、ちょっと物足りないかも?
そのへんの自己啓発書やビジネス書を読む前に、ぜひ一度、この本を読んでおくと良いです。
アルパカ
【おまけ】橘玲本のおすすめ3冊
おまけです。
本書のあとがきで、橘玲本のおすすめが大量に載っていました。
書いてあるとおり、興味がある本から読めばいいのですが、個人的なオススメは以下の3冊。
【1】「人生は攻略できる」的な話をもっと深く知りたい↓
【2】お金について勉強したい↓
【3】知的興奮を味わいたい↓
どの本もクオリティが高いのでオススメです。