UNIONの歌詞考察「君を退屈から救いに来たんだ」と「新条アカネ」について

グリッドマンのUNIONの歌詞考察「退屈から救われる君(新条アカネ)」について

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SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)のオープニングテーマ「UNION」の歌詞「君を退屈から救いに来たんだ」が最高に格好良い。

ってことで、この記事で

  • UNIONという曲
  • 退屈から救われる君=新条アカネ

について考察・解説します。

SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)のオープニングテーマのUNION

SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)のオープニングテーマのUNIONとは

  • 男性ボーカルユニット「OxT」の曲
  • UNIONとは日本語で「同盟」のこと(→グリッドマン同盟)
  • 歌詞の「君を退屈から救いに来た」というのがサビ最後のメッセージ

です。

 

UNIONは大石昌良がグリッドマン台本を見て作詞した

UNIONは大石昌良がグリッドマンの台本を見て作詞したらしいです。

最初に書いた歌詞は、『SSSS.GRIDMAN』の台本を読んで、いたく感動してしまった結果、そのとき感じたことをストレートに歌詞にしていたんです。それもあって、ネタバレが酷くて(笑)。ボーカルを録った後にも、「やっぱり、この行とこの行も書き直してもらえますか……?」というお話をもらいました。

そこを直しつつ、劇中の裕太たちは高校生なので、Aメロでは思春期ならではの焦燥感やヒリヒリしたもの、「この世界は、何かが違うんじゃないか」という、誰しもが感じる思春期のモラトリアムのようなものを表現していきました。それから、サビ頭の部分は“僕らの世界が何者かに侵略さ・れ・て・る・ぞ!”という歌詞にしていて。こんな歌詞を書けたのも、今回ならではの経験ですね。

引用元:俺たちを“退屈”から救ってくれ!─『SSSS.GRIDMAN』主題歌が視聴者のハートをつかんだ理由。OxT、新たな代表曲「UNION」を語る

 

アルパカ

ってことで、歌詞事態がグリッドマン本編の内容を表しているのは明らかですね。

 

UNION歌詞「君を退屈から救いに来たんだ」は「新条アカネを救うグリッドマン」

UNIONが流れるOP映像では「アカネとグリッドマン」が印象的でした。

演出としては

  • 新条アカネが退屈な表情で窓の外を眺める
  • グリッドマンの顔が現れる(歌詞と同時に)
  • 校舎の窓が吹き飛ぶ

という流れ。

 

アルパカ

「きみぃを」の「き」でアカネちゃんの顔ドアップ。
引用元:SSSS.GRIDMAN

引用元:SSSS.GRIDMAN

 

アルパカ

「救いにきたんだ」の「だ」でグリッドマンが窓ガラスを割ります
引用元:SSSS.GRIDMAN

引用元:SSSS.GRIDMAN

 

この演出から、退屈から救う対象は「新条アカネ」ということが明らかですね。

 

新条アカネの退屈について考察

で、歌詞について考える前に、新条アカネの退屈について考えてみましょう。

アルパカ

「涼宮ハルヒの憂鬱」みたいにそれ1つで作品になりそう

 

アカネが感じる退屈は永遠にスター状態のマリオみたいなもん

アカネが感じる退屈とはなにか?

神である自分に歯向かう存在はいない(すべて思い通り)という世界。

気に入らないことがあれば、その現象を、対象を抹殺して解決してきました。

 

これって、ゲームで例えると、スター状態&穴から落ちることがないマリオみたいなもんで、やっていて全く楽しくないと思うんですよね。

自分にとっての不都合・不自然をすべて取っ払った、無機質でフラットすぎる場所。

退屈とは、何もかも思い通りになってしまう、刺激のない日々のことだと思います。

アルパカ

だからこそ、スターが効かないクッパ=「グリッドマン」という存在が出てきたので、ゲームをやる気になったのではないかと思います。

 

グリッドマン第9話の新条アカネの「夢」

グリッドマン第9話の新条アカネの「夢」は、アカネフィーチャー回で最高だったんですが、色々と深い演出がありました。

この話、怪獣の攻撃で「アカネの描く理想的な夢」の中に主人公たち3人が閉じ込められるという設定です。

 

主人公の裕太の夢では「第1話の記憶喪失から目覚めたシーンで出会った相手がアカネだったら」というIFストーリーが展開されていました。

でこの2人の会話から、アカネはずっと夢を見ていたかったという表現があります。

アカネ「ずっと夢ならいいって思わない?」

裕太「夢だから目覚めるんだよ。みんな同じ。それは新条さんも」

アカネ「私はずっと夢を見ていたいんだ」

裕太「俺はそっちには行けない」

ただ、これはあくまでも台詞の上。

 

結果的に3人を起こしてしまったのは、アカネ自身の行動でした。

つまり、コンテキスト(文脈)上では「アカネは夢から連れ出して欲しい」というのが正しい見方です。

 

先述の通り、夢あるいは、理想の世界というのは退屈です。

そんな退屈の世界の住人であるアカネは無意識で「退屈から連れ出して欲しい」という思いを持っていることが分かります。

そもそも退屈とはなにか?哲学者ハイデガーの語る3つの退屈

そもそも退屈とはなにか?

哲学者ハイデガーは3つの退屈があると言います。

  1. 何かによって退屈させられること
  2. それ故、何かに際して退屈すること
  3. なんとなく退屈だ

で、アカネはこの3つ目の「なんとなく退屈だ」という領域に入ってしまったと思います。

 

簡単に言うと「なんとなく退屈だ」っていうのは

  • そもそもなぜ退屈しているのかよくわからない
  • 気晴らしが存在しない
  • すべてが一律にどうでもよい状態

のこと。

 

こうなってくると、容易には退屈は解決されません。

アカネの抱える退屈はそれくらい深く、救いようのないものになっているのだと思います。

アルパカ

退屈と人生に関する話は「暇と退屈の倫理学」って本が読みやすくて面白いのでオススメ。

 

響裕太はアカネを退屈から救えるのか(グリッドマン11話ネタバレあり)

響裕太はアカネを退屈から救えるのか?という話。

アルパカ

グリッドマン11話までのネタバレあり

 

グリッドマン11話で判明した響裕太の正体と記憶喪失の理由

グリッドマン11話「決・戦」で判明した響裕太の正体と記憶喪失の理由が判明しました(ネタバレ)

  • アニメ1話以降の響裕太は、グリッドマン自身
  • アニメ1話以前の響裕太(精神)は現在も、裕太(肉体)の中で眠ったまま

って感じ。

気になるのは「彼だけが新条アカネの世界で…」という台詞ですね。

これは「彼だけが新条アカネの世界で自由だった」とか「彼だけが新条アカネの世界でアカネを好きにならなかった」だと思います。

 

UNIONはグリッドマン全話を見た後に聞くと泣けるらしい

ちょっと脱線。UNIONはグリッドマン全話を見た後に聞くと泣けるらしいです。

グリッドマン公式ラジオ『とりあえずUNION』という広瀬裕也さん(裕太役)と宮本侑芽さん(六花役)がやっている番組があります。

宮本侑芽「UNIONの歌詞がね…また」

宮本侑芽「12話全部見た後でUNIONのあの歌詞を見ると、コロッときちゃう」

という発言をしていました。

 

響裕太はアカネを退屈から救えるのか?

響裕太はアカネを退屈から救えるのか?

 

これ、原作のグリッドマンと同じ結末な可能性もあります。

ちなみに原作特撮では、敵キャラのオタク(藤堂武史)が最後に

「(ラスボスは)僕の心の醜さに引き寄せられてきた怪物なんだ」

と言って自分の弱さを見つめ、主人公たちの味方になるのがハイライトでした。

引用元:グリッドマン解説と感想

つまりアカネがグリッドマン同盟側に入って、仲間と過ごすことで退屈から救われる展開。

アルパカ

けっこうありえそう…

 

いずれせによ、彼女の退屈は「思い通りにいかない世界」を肯定できない弱さに起因してます。

それを受け入れることで、自分にとって都合の良い世界から抜け出すエンドなんじゃないかなと妄想しています。

アルパカ

【2018/12/23】追記しました

 

グリッドマン結末のネタバレ感想【追記】

グリッドマン結末のネタバレ感想を追記します。

いずれせによ、彼女の退屈は「思い通りにいかない世界」を肯定できない弱さに起因してます。

それを受け入れることで、自分にとって都合の良い世界から抜け出すエンドなんじゃないかなと妄想しています。

ってことでやっぱり「都合の良い世界から抜け出す」エンドでした。

アルパカ

まさか現実世界にいくとは思わなかったですがw

 

結局アカネは、

  • 肉体を救われる(失敗作と思っていたアンチに)
  • 退屈の象徴アレクシスの呪縛から救われる(グリッドマンに)
  • 心を救われる(最後まで自分を見捨てなかった六花に)

という色々な人々に救われる結末に。

 

そして、現実世界でのアカネは、タイトル通り「覚醒」して、彼女の物語が始まります。

※友情の象徴だった「定期入れ」があることから分かります

アルパカ

アカネにとっての第1話が今回のアニメ12話でした…という話かなと思います。

詳しくは「グリッドマン12話ネタバレ感想解説。最終回が「覚醒」だった意味とアカネの世界」に書きました。

 

大石昌良が語るグリッドマンのリテイク歌詞【おまけ】

作詞の大石昌良さんが語るグリッドマンのリテイク歌詞に関するお話です。

 

元の歌詞は

  • 作り物のようなこの街に
  • あいつの名前ってなんだっけ 教室のどこに座ってたっけ

というものだったそうですw

 

4 COMMENTS

匿名

あかねが退屈だったという描写が本編ではひとつもなく、他に暇を持て余していた者がいたので
「君(あかね)を退屈(アレクシス)から救いに来たんだ」
だと思いました。

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とけ

アカネの、殺すという簡単に選択肢を選べてしまう無邪気な残酷性を第6回ではかなり的確に表現されてたと思う。アカネにとってグリッドマンは退屈なクソゲーに現れた歯ごたえのある敵キャラだったんだ。
でも怪獣たちに殺させるのと自分が殺すのの間にあるリアルさの溝にハマって裕太を刺した時は震えてたんだと思う。

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