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世界最大規模の未来予想プログラム「フューチャーアジェンダ」を知っていますか?
簡単に言うと、世界中のスゴい専門家が集まって、未来について予測する取り組みです。
そんな未来予測の2025年までの話が「〔データブック〕近未来予測2025」という本に載っていました。
これがかなり面白かったので、まとめました。
目次
未来に対する12の共通認識
まず世界中のスゴい科学者たちの「これは当たり前だよね」という未来に対する12の共通認識があります。
- 人工が爆発的に増加する
- 資源が枯渇する
- 環境汚染に歯止めが効かなくなる
- 移民は悪である
- 仕事が不足する
- 女性の教育水準の向上が多くの問題を解決する
- 技術が大きな問題を解決する
- 答えは太陽光エネルギーの中にある
- 定年について考え直す必要がある
- 医療費は増加の一途をたどる
- アジアの世紀が始まる
- GDP成長率は、社会の発展を評価する最良の尺度である
「そりゃそうだ」と思えるものも多いです。
ただ、科学者たちが重要な課題として厳選したものなので、将来について考える時の「大前提」として使えそう。
未来の6つの課題
本書では様々な課題について、今後どのように取り組むかを、6つのテーマに分けて語っています。
- 「未来の人」
- 「未来の場所」
- 「未来の覇権」
- 「未来の信念」
- 「未来の行動」
- 「未来の企業」
未来の課題1「未来の人」
未来の人(人口)はどうなるのか、という話です。キーワードは以下の通り。
- 不均衡な人口増加
- 縮小するミドルクラス
- エイジレスな社会
- 長く働く
- 増加する若者の失業率
- 手の届く医療
- 地域移住
- 女性の選択ジレンマ
個人的に興味深かったトピックをまとめました。
- 2015年の平均寿命は、低所得の国で46歳、高所得の国で79歳で、全体的に見ると約70歳
- 平均寿命は毎年6ヶ月ずつ伸びている
- ミドルクラス(法律、会計部門の事務や管理)の仕事はAIに取って代わる可能性が高い
- ギグ・エコノミー(オンデマンド経済)が急成長している
- インドでは、労働人口の25%がフリーランス。
- 2030年には、1億6000万人のアメリカの労働人口の約半数がフリーランスか独立業務請負人になる見込み。
- 2050年には地球上の3人に1人が50歳以上になる
- 若者の失業は世界中で蔓延。世界全体で約7500万人の若者が職を探している。若者の失業率は、アメリカ・イギリスでは約23%。スペインとギリシャでは50%。
一番興味深かったのはフリーランスの話です。
インドでは4分の1が既にフリーランス的な仕事をしているし、アメリカは約半数がフリーランスや起業する、と。
この話は、2002年にダニエル・ピンクの「フリーエージェント社会の到来」という本でも言われていましたね。
たしかに「フリーランス」的な働き方が主流になるかもなーと肌で感じます。
ちきりんさんが推薦してる本でもあります。
最近ベストセラーになった「未来の年表」という本をも一緒に読むと面白いです。
世界では人がたくさん生まれて若者比率が多い国が増えるけど、日本は平均年齢も高くなり、経済的に衰退していく…と分かります。
※余談ですが、独身男性の私は、「2020年には女性の半数が50歳以上になる」というデータに一番衝撃を受けました。
未来の課題2「未来の場所」
先進諸国の暮らしについての話です。キーワードは以下の通り。
- 住処を奪われる人々
- インフラ不足
- フレキシブルなインフラ
- 利用しやすい交通輸送システム
- 自動運転者
- 大気汚染
- 水没する年
- 基本的な公衆衛生
- 生態文明
- 都市間の競争と労働
- オフグリッド
国ごとに、生活の環境は大きく異なることを実感できるチャプターでした。
例えば、大気汚染の話は衝撃的な数値です。
- インドでは毎年、大気汚染が原因とみられる病気で約62万人が命を落とす
- 中国では、大気汚染が原因で亡くなる住民の数が1日4000人にものぼる。中国各地の都市の平均寿命は、大気汚染のせいで国全体の平均寿命より5年も短い。
日本でいえば、名古屋・大阪は洪水の危険性があります。
水害は住宅、貧困、エネルギー、社会の崩壊などの問題を引き起こします。
あとは、歪な世界の発展を数字でまざまざと見せつけられた気がしました。
- 世界人口の9割が携帯電話の県内に住み、2015年の時点で、30億人がインターネットに接続している
- 一方で、世界の約1億3000万世帯にトイレがない。
未来の課題3「未来の覇権」
どんな国が台頭し、覇権を握るのか、という話です。キーワードは以下。
- 権力と影響力の移動
- 中国崇拝
- アフリカの経済成長
- 中央政府の影響力の低下
- すべてがつながった世界
- 個人データ保護
- 通商を促進する国際規格
- オープン・サプライウェブ
- エネルギー貯蔵
今のアメリカ覇権がどうなるのか?中国は今後どうなるのか?みたいな話が中心でした。
※個人的にはあまり興味がない分野でしたのでメモは無し
未来の課題4「未来の信念」
信念についての話。具体的には資本主義や宗教についてです。キーワードは以下。
- 試される資本主義
- 自然資本
- 全費用
- 人と人との触れ合い
- 変わるプライバシーの性質
- 真実と幻想
- 倫理的な機械
- 信仰を守る
今は世界の約3割がキリスト教、2割がイスラム教です。
しかし遠くない将来イスラム教の割合は、キリスト教徒の数と並ぶ約3割になる見込みだそうです。
「当たり前と思っている前提」を考え直す必要が生じます。
例えば、自動運転車の実用化に関しては、「飛び出してきた人を守るため、運転手が見を危険に晒すべきか」というする倫理的な課題があります。
「難しい問題だし、答えなんて無いんじゃないかと個人的には思います。
しかし、イスラム教の国のある高官は「避ける必要はない」と断言します。
以下、引用です。
私達がアブダビで政府高官と話していた時に、未来の自動運転車の話になった。
私達が技術と倫理的な問題について説明していたところ、高官はみな、ぽかんとした顔をしたのである。
「なぜルートを逸れるのですか?」と彼らは尋ねる。
「そのまま運転すればいいことです」。
そこで、私達が世界のどこの国や地域でも、これを重大な問題と考えていると伝えると、戻ってきたのは「ここでは、重大ではありませんね。インシャ・アッラー(アッラーがお望みなら)」という答えだった。
「もし道路に子供がいたのなら、それが神のご意思であるため、車のほうで避けて”運転者自身”を犠牲にする必要はありません。誰かが溺れているのを見つけた場合も同じです。あなた自身を危険にさらすのなら、その相手を助けることはないのです」。
自分たちの価値観だけで未来を見てはいけないのだ。私達の考える善悪の観念は、他の文化でまったく異なる。
象徴的な話ですね。
未来の課題5「未来の行動」
未来の行動では以下のようなキーワードがありました。
- 逼迫する重要資源
- 食料廃棄
- 年の肥満傾向
- プラスチックの海
- データ所有権
- 電子マネー
- 教育改革
- 大衆の積極的関与(マス・エンゲージメント)
- 取り残された者へのケア
食料廃棄の問題が個人的には気になりました。以下、引用。
世界で生産される食料の4分の1が、食べられることもなく廃棄されてしまうのだ。
一方で、こんなデータもあります。
現代のアメリカ人の体重は、1960年よりも11キロ増えている
世界は歪に拡大しています。
未来の課題6「未来の企業」
未来の企業、そして働き方についての話です。以下、キーワード。
- 目的を持った起業
- 目まぐるしい拡大
- データの価値
- 動的価格設定(ダイナミック・プライジング)
- 組織3.0
- クリエイティブエコノミー
- 深化する協働(コラボレーション)
- 真のシェアリングエコノミー
- ラストマイル・デリバリー
- 時々ノマド
アラサー転勤族の私には印象に残った話がたくさんありました。
- 企業にとってデータは新たな原材料で、資本財や労働力にも劣らない経済的な資源である
- 正規の従業員にとって、職場のルールを揺さぶっているのがミレニアル世代。上の世代の働く意欲を掻き立てた、安定した雇用などの要因に若い彼らは魅力を感じない。ミレニアル世代が重視するのは、経済的な成功ではなくワークライフバランスや目的意識である。
- 人は40年間も働き続けたくない。そのあとに定年退職したくはありません。自分の目標を追うのにそんなに待ちたくはない
- 創造性は知識型経済を支える重要な要素である。
- 世界銀行によれば、母国を離れて暮らす人は2億5000万人に及び、国内で移動した人口も含めると、地球上の7人に1人が移住者である
未来予測本の中でも面白いデータが多い本
とにかく豊富な実例と、面白いデータが沢山でした。
そういや本のタイトルも「データブック」でしたね。
手元に置いてふとした時に「データをパラパラ眺める」だけでも十分楽しめる本ですよ。
現代人、現代社会は過去から学ばなければならない。人が人として成長するには経験、体験、行動力が必要です。現代人は知識や情報は凄くあるが全てがネットからだけです。人は夢や希望を持つ為に努力や継続をしなければならない。だから嫌嫌仕事してたり何もしなかったりするのだ。経験や体験、行動力が大事です失敗も教えてくれるし好奇心、熱意、情熱等も後押ししてくれる。何もしないと言う事は変われないし成長も出来ない。人は何もしない事の方が後悔が大きいのだ。ネットは便利だが人から奪った物も大きいのだ。偉人や天才と言われる人から現代人は何を学んだのだろうか。
誤字…