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映画モテキがスゴい。
何故あんなに面白いのかを考察してみました。
目次
映画モテキとは?
映画モテキのあらすじはこちら(知っている人は飛ばしてください)
藤本幸世(31歳)。金なし夢なし彼女なし。
派遣社員を卒業し、ニュースサイトのライター職として新しい生活を踏み出そうとしているが、
プライベート(=恋愛)の方はまるで充実しないまま。
新しい出会いも無く、恋する事も忘れ、ロンリーな日々を送っていたが…
ある日突然、異性にモテまくる奇跡のシーズン「モテキ」が訪れた!
趣味が合い見た目もど真ん中タイプなのだが彼氏持ちの雑誌編集者・みゆき。
みゆきの親友で清楚な美形OL・るみ子。
ガールズ・バーのハデかわ嬢・愛。
クールビューティな先輩社員・素子。
まったくタイプの異なる4人の美女の間で揺れ動く幸世。引用元:Amazon
原作は漫画です(番外編も入った新装版もあります)
漫画版をTVドラマ化にして大ヒット。
そして、映画化です。
ちなみにドラマ版の一年後のストーリーが映画版です。
※ドラマ版も映画に負けじと面白い
映画モテキは何故面白い?考察してみた(ネタバレ)
映画モテキは何故面白いのか考察してみました(ネタバレあり)
サブカル男子の夢としての「自分の趣味が仕事になる」@ナタリー
主人公は、サブカル男子の夢である「自分の趣味が仕事になる」をナタリーに入社して実現します。
- バナナマンにインタビュー
- 神聖かまってちゃんにインタビュー
- 去年まで客として着ていたフェスにスタッフパスで来る
など。
サブカル趣味の人間にとっては、この時点で「夢を売る映画」として最高の入り。
一方で、主人公の森山未來が痛々しいので、それも嫌味になりません。
ミュージカル演出ではない。まさかのカラオケ演出
ミュージカル演出をする映画は今までアリましたが、カラオケ演出する映画はかなり珍しいです。
こういう思いもよらない演出が、モテキの魅力です。
主人公の心象風景と同じ曲を流し、カラオケの映像の登場人物の如く映す演出。
監督の大根仁さんの腕が唸ります。
カラオケ演出していたのは以下の曲。
- フェスでナンパして振られて「格好悪いふられ方」
- 好きな人の気持ちを忖度するのに最適な「カムフラージュ」
- 長澤まさみとの一夜に失敗し流れる「失格」
特に麻生久美子が歌うカムフラージュをBGMに、前半の長澤まさみとのアレコレを映像で流す演出が面白すぎた。
これ森山未來の勝手な気持ちがあるから冷静に見れるけど、そうじゃなかったら「恋愛って辛いよね…」とついつい思ってしまいますね。
人の心が嬉しくなるとperfumeが踊る
一方で、ミュージカル演出もしっかりとあります。
しかも、まさかのperfume(本物)出演。
主人公の森山未來(ゆきお)が初めて長澤まさみと出会い、恋が始まった…という喜びを表します。
長澤まさみが突然家に来て恋仲になる…という非現実な出来事から、そのままフィクション全開で突っ切る演出が見事でした
※曲は「Baby cruising Love」でした
幅広いジャンルのロック音楽のセンスが抜群に良い
幅広いジャンルのロック音楽のセンスが抜群に良いというのも特徴です。
- フジファブリック「夜明けのBEAT」
- ももいろクローバーZ「走れ!」
- デスコ「女王蜂」
- くるり「東京」
- 星野源「ばらばら」
- 岡村靖幸「カルアミルク」
- N’夙川ボーイズ「物語はちと?不安定」
この辺りは、当時ロックに詳しくなかった私を新たな世界に導いてくれた楽曲です。
特に大ヒット前の星野源の「ばらばら」とかを知れたのが良かった。
作中では、ひどい場面で使っていましたけどねw
※ちなみにサントラもありますよー
鋭い糸井重里の分析「分かる人はピンときてね」
糸井重里さんの分析が鋭いです。
糸井 音楽の選択もそうなんですけど、
「わかる人はピンときてね」
っていうもののまぜ方が、
誰が観ても嫌がらない具合になってるんですよ。
「わかる人だけわかればいい」をやりながら、
わからない人を突き放さない。
あれはけっこう、
練り込んでるなぁと思いました。
作中に流れる曲は場面に合っているものばかり。
気づかなくても楽しめますが、気づくともっと楽しめます。
※星野源の「ばらばら」が流れるシーンの「ばらばらさ」とか
モテキの名言がスゴい
モテキの名言がスゴいです↓
- 彼氏がいないってことは世界中がライバルだ。でも、彼氏がいるってことはライバルがたった一人ってことなんだ。
- 弱っている時に聞くアイドルソングは麻薬!
- 私、幸世君とじゃ成長できない
- 弱ってるときのアイドルソングは麻薬です
コメディ演出ながらもある種の真理をついている言葉たち。
こういった、洞察と言葉の力がこの作品を単なるエンタメではなく、なにか心に残る作品にしています。
大根仁監督のインタビューから分かる登場人物
大根仁監督のインタビューから分かる登場人物についての話が面白かったです。
登場人物まとめはこちら
- 藤本幸世(31歳):森山未來
- 松尾みゆき(26歳):長澤まさみ
- 枡元るみ子(33歳):麻生久美子
- 愛(25歳):仲里依紗
- 唐木素子(33歳):真木よう子
- 墨田卓也(43歳):リリー・フランキー
- 山下ダイスケ(31歳):金子ノブアキ
みんな嫌いな主人公=藤本幸世
主人公の藤本幸世は「みんなに嫌われている」という話が面白かったです。
大根 幸世。幸世のことは‥‥。ぼくも、未來くんも、みんな幸世が嫌いなんですよ
大根 踊れないです、あれは妄想ですから。ああいう踊りとかがないと、ただリアルに幸世を描いたらもう、なにもできないダメなやつが振り回されてるだけの映画になるので。
糸井 恋愛一般を、愛と性を凝縮した男ですよ。
ということで、誰もが主人公の幸世を嫌いですw
うじうじしたところ、仕事をしっかりやらないところ、長澤まさみの親友に浮気するところ、etc…。
そんな彼があえて成功する、うまく踊るからこそ、見ていて心躍ります。
最強のヒロイン「長澤まさみ」
最強のヒロイン「長澤まさみ」は、ドラマ版のヒロインを合体させて出来た存在らしいです。
糸井 映画化の迷いはあっても、ヒロインに長澤まさみさんは決まっていて、「これで行ける」と思ってたわけですよね。
大根 そう‥‥そうですね。彼女が演じるヒロイン、みゆきをどういうキャラクターにするかで最初によく言ってたのが、ドラマ版『モテキ』のヒロインたちのいいところをぜんぶ合わせたような‥‥
糸井 合体ですよね。
大根 合体。合体してできた、いちばん強いやつ。
いちばん強いやつらしいw
ちなみに、大根監督はある映像手法を使って、長澤まさみをめちゃくちゃ可愛く撮っています。
Googleに怒られるので直接的に表現できませんが、あっち系のビデオでよくある「主観」の撮影方法です。
あれです、「ハ」から始まるやつ…。
映画モテキのネタバレ感想
映画モテキの個人的な「ネタバレ感想」です。
長くなってきたので一部だけ。
オープニングから最高
映画モテキのオープニングがゲスいけど女優さんたちが皆可愛くて最高です。
画質上げて観るべき映像です。
普段は通信容量(ギガ数)を気にして低画質のアマゾンプライムビデオで見ている私も、このときだけは最高画質に全フリして見ています、えぇ。
リリー・フランキーの演技に驚かされる
リリー・フランキーさん(墨さん)の演技には毎回驚かされます。
あの年で、あの風貌で、モテていてもおかしくないかもと思わせる説得力。
リリーさん自体の演技というか、あの人の持つ「何者かではあるけど、何者ではない感じ」がそれを担っている気がします。
今回も、一番役得だったのはリリーさんですよね。
麻生久美子が落ち込んでいるときに、しっかりいただくという抜け目のなさ…。
ゴッドタンとか放り込んでくる辺り嬉しい
私、ゴッドタン大好きで、お笑い動画で一番長く見続けています。
そんなゴッドタン(マジ歌)をさり気なく作中に放り込んでくるのが嬉しい。
※逆に言うと、私もこの作品の主人公と同じ「サブカル野郎」だと自覚しましたw
モテキ監督「大根仁」の他の作品もスゴい
モテキ監督「大根仁」の他の作品もスゴいです。
このあともかなり実験的な作品を色々とやっています。
一番のオススメは、「恋の渦」です。
あるマンションの一室で繰り広げられる、かなりリアルな今どきの恋愛模様です。
実験的な映画撮影方法ですが、良いですよ。
その他の監督作品はこちら、有名なのばかり。
- モテキ
- 恋の渦
- バクマン。
- DENKI GROOVE THE MOVIE?〜石野卓球とピエール瀧〜
- SCOOP!
- 奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
- SUNNY 強い気持ち・強い愛