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「カメラを止めるな」がおすすめです。
約1時間半でここまで「楽しめる」作品は珍しいですよー。
ここから下はネタバレなしの紹介と、ネタバレありの感想&考察を書いてます。
アルパカ
目次
「カメラを止めるな!」の基本情報
「カメラを止めるな!」(通称カメ止め)は、監督・俳優養成スクール「ENBUゼミナール」の「シネマプロジェクト」第7弾として製作されました。
カメラを止めるな!は「制作費300万円」「新人監督」「無名俳優」
制作費はわずか300万円の超低予算です。
ちなみに日本映画の 制作費の平均は5000万円程度と思われます。
監督は、上田慎一郎さん。
34歳の新人監督です。
キャストは12名いますが、無名の俳優ばかりです。
「キャストはオーディションで選んだ12人。
経験も少ないし、技術面も完璧じゃない人ばかり。だったら演技と本来の自分との境目をなくしてしまえと思って、彼らの個性そのものをあてがきにして脚本を書きました。
それに無名なキャストだからこそ、先の展開が読めないし、観ている人に親近感を持ってもらえたのかなって。
だって広瀬すずさんや菅田将暉さんが出てたら『あ、どうせ最後まで生き残るだろうな』って気持ちで見ちゃうし、遠い世界の出来事のようで自分事化しにくいでしょ(笑)」
キャストはコチラの方々↓
濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細田学、市原洋、
山崎俊太郎、大澤真一郎、竹原芳子、吉田美紀、合田純奈、
岩地紗希奈、秋山ゆずき、山口友和、藤村拓矢、高橋恭子、イワゴウサトシ
簡単に言うと
- 「超低予算」
- 「新人監督」
- 「無名の役者」
という、3つの大変な条件が重なって作られた映画です。
アルパカ
作品の着想・経緯
作品の着想と、作られた経緯について監督が話しています。
上田:この企画の着想は、2013年にPEACEという劇団(2014年に解散)の『GHOST IN THE BOX!』という舞台を見て、インスパイアを受けて作った作品です。
最初のころは、その舞台の脚本家や出演者と一緒に企画開発をしていたのですが、お互いの事情もあって一旦頓挫しました。
その後2016年に、とある企画コンペに出してみないか、とかいうお話が来て、基本的な構造以外は登場人物や展開を丸ごと変えて、新しい企画として書き直しました。
【Director’s Interview Vol.7.1】上田慎一郎監督は如何にして『カメラを止めるな!』を作ったのか!?~前編~ |CINEMORE(シネモア)
てっきり他のワンカット映画を見た影響かと思いましたが、そんなことはなかったです。
原作の舞台は「ホラー×コメディ」らしいですよ。
カメラを止めるなの内容は?(ネタバレ無し)
「カメラを止めるな」の内容ですが、ネタバレなしで言いますと
- 舞台はとある廃墟
- ゾンビものの映画を撮ろうとするのだが…
アルパカ
これ以上はもう一切の前情報なしで見て欲しいので、言えるけど言いませんw
絶対に見て損はない映画です、本当にオススメ!
カメラを止めるなはなぜ面白かった?ネタバレ感想・考察
「カメラを止めるな」のネタバレ感想・考察です。
「カメラを止めるな」の見事な3部構成(演劇、劇中劇、感情劇)
見事な構成でした。
約30分ずつ前編、中編、後編とそれぞれが意味を持った映像でした。
- 前篇は、ワンカットのホラー映画
- 中編は、映画が作られるまでのヒューマン・ドラマ
- 後編は、伏線回収しまくりの見事なコメディ
カメ止めの上田慎一郎監督はこう語ります。
上田:最初の37分ワンカットのパートで「出すんじゃない。出るんだよ」って言ってた”実”だと思っていたものが、第2幕で、あれはお芝居だったんだ、劇中劇だったんだ、”虚”だったって分かるんですけど、第3幕で、いや、劇中劇なんだけど、あれはやっぱりホントの感情”実”だったんだっていう。
「なんだこの個人制作感」と思っていたら、実は演出だった。
と思いきや、演出に見せかけたリアルだった!
アルパカ
…と思いきや、インタビューを見ると、更に外側があることが分かります。
本作を実際にご覧になっても区別はつかないと思いますが、僕が脚本上で書いていたトラブルと、それとは別に現場でリアルに起きたトラブルが交じっているんです(笑)。
ゾンビメイクが間に合わずに、キャストがアドリブでつないでいる場面は、本当にメイクが遅れてしまって、みんな必死でつないでいます(笑)。
あとカメラのレンズ部分に血のりが付着してしまうんですが、あれもアクシデントでした。
『カメラを止めるな!』に騙される人が続出中!? “新世代の三谷幸喜”上田慎一郎監督インタビュー(2018年6月21日) – エキサイトニュース(4/9)
実は「カメラを止めるな!」という作品を撮る際に、トラブルが発生していた。
それすらも、演出していたのだと。
つまり、作品の外側も含めた三重構造であることが分かります。
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映画好きな人ほど気づく多数の違和感
映画好きな人(特にホラー映画やB級映画に慣れた人)とそれ以外の人では、前半のパートの見え方は違ったと思います。
ホラー映画好きな方は『「ゾンビ映画のお約束」を守りつつも、違和感があるな』と思ったはず。
私も年100本は映画を見ますし、B級映画とゾンビ映画好きなので、「何かあるな」と思いながら見ていました。
映画の前半パートを見ながら思った違和感は
- メイク役との会話が妙にぎこちない
- カメラに血のりが付いたのを拭く
- ヒゲモジャ映画監督が突然「カメラを止めるな!」と言ってカメラを意識する
- カメラがずっと動いていたのに定点観測になる
- なぜか女優が2回同じセリフを叫ぶ
- 斧を手に入れるw
- 最後なかなか斧で彼氏を切らない
などなど。
アルパカ
結局の所、
- カメラを止めるな!と言ってカメラを意識する
- カメラに血のりが付いたのを拭く
- カメラが突然定点観測になる
あたりを見て、多くの人が「あ、絶対に裏がある」と思ったはずw
ただ、映画をあまり観ていない人は「意図的に仕込んだ違和感」なのか分かりづらかったかも…。
アルパカ
カメ止めは「伏線と回収が秀逸」だった
とにかくカメ止めは、前半の劇内映画で貼った伏線を、後半で回収するのが見事でした。
一番ステキな伏線と回収(というかフリとオチ)だったのは、ヒゲモジャ監督(日暮隆之)が急遽「役としての監督」になるところ。
主演女優のアイドルが「よろしくでーす」と言って、舐め腐った態度をヒゲモジャ監督にとる。
主演男優の俳優は「これは自分の映画だ!」と主張して、ヒゲモジャ監督が「キミの映画だ…」となだめていました。
そんな布石があった上で「生放送の一発撮り環境」と「役としての監督」を利用して、感情を爆発させる。
「上辺だけで生きてるんじゃねぇ!」
「リハーサルからうるせぇんだよ!これはお前の映画じゃない!俺の映画だ!」
このヒゲモジャ監督の「生の声」が爆発するシーンが、大きなカタルシスでした!
カメ止め作品テーマ「出すんじゃない。出るんだよ!」
カメラを止めるなの作品のテーマは「出すんじゃない。出るんだよ!」という、映画内の監督(ヒゲモジャ)の台詞です。
映画の外の監督(上田慎一郎)のインタビューを引用します。
上田:今思えばあのセリフは、この映画のテーマみたいなものでもあるのかなって。
メッセージとかテーマって、最初に企画書とかで、この映画は映画愛を描きますみたいなことを書いたら、絶対その嘘くささが出ちゃって、説教くさくなるし、押し付けがましくなると思うんですけど、もうほんとにそういうのは一切考えずにこれは作ったんです。
もうとにかく面白いものを、エンターテインメントを追求して作ろうと。
テーマやメッセージは、「出すんじゃなくって、にじみ出てくる」と思っていたので。
みんなのキャラクターとかも、出すんじゃなくて、出てくるものを信じてやっていたので。だから、あのシーンは結構難しかったですね。
とにかくエンタテイメントにこだわった結果、生まれた傑作でした。
今までにない「面白い」という感じは、複数の感情が入り混じっていたからかもしれません。
つまり
- やや恐怖
- ヒューマン・ドラマ
- コメディ
- カタルシス
- アクション
- 感動
など多くの感情体験がありました。
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チャチな作りのお化け屋敷を進んでいくと、突然コメディのショーが始まる。
かと思いきや突然のジェットコースターで急降下、着いたと思ったら感動の映像が流れている…
そんな怒涛の感情体験。
これこそエンターテイメント。
これこそ娯楽。
アルパカ
カメ止めラストの組体操の感動と熱さはどこからきたのか
カメ止めラストの「組体操の感動と熱さ」はどこからきたのか?
上田監督のインタビューにその一端が見えます。
「やりたくない」っていう人が巻き込まれて、「やりたくない、やりたくない」って言ってたのに、やる羽目になってという方がコメディになりやすいし、自分の好みだったんですね。
だから、昔は映画監督を目指していて、大志を抱いた時があったかもしれないけど、今は日々与えられた仕事を粛々とこなしている男が、娘が家を出てしまうとなった時に、もう一度特別な人間になって娘に尊敬されたいと。
そんな下心で、始めたけど困って、困って、、というストーリーになった。
【Director’s Interview Vol.7.2】上田慎一郎監督は如何にして『カメラを止めるな!』を作ったのか!?~後編~ ※注!ネタバレ含みます!! |CINEMORE(シネモア)
うだつの上がらない監督と家族(娘)との関係が、映画を通じて、再度結ばれる。
最初は仲が悪く「こいつらダメだ」的な役者たちも、最後には一丸となって映画を完成させる。
こういった「壊れた」関係と「その修復」を見て、我々はいつの間にか感動していたのです。
特にラストの「組体操」は象徴的でした。
最後の魔法陣のシーンを4m上から撮ろうとします。
しかし、機材は壊れてしまいました。
「あえて上から取る必要はない」と、制作の外側からは言われ、一度は受け入れた主人公のヒゲモジャ監督(日暮隆之)。
しかし、娘の後押しと俳優陣・スタッフの協力(組体操)によって、予定していた絵を無事に撮影できました。
あと、あのラストシーンはいきなり3つの感動ポイントを放り込んできたのも衝撃的です。
- 自意識が強い主演男優が、組体操に入っていくところ(作品への理解、和解、協力)
- 父と娘の「こどもの頃の夢」の再現 ※幼い日の写真の再現
- 組体操の長時間の維持
特に「組体操の長時間の維持」は地味にスゴい演出。
見た時の印象が「反転」しませんでしたか?
つまり、前半パートで映画エンディングを見るときは、「つまらない」から「早くエンディング終われ」という感想だったはず。
それが、後半パートで映画エンディングの撮影風景を見る時は「頑張れ!耐えろ!」と思いながら「早くエンディング終われ」と思ったはず。
アルパカ
低予算で使われがちな2つの手法「POV手法」と「モキュメンタリー」【映画豆知識】
低予算映画で使われがちな2つの手法があります。
- POV手法
- モキュメンタリー
です。
POV手法とは、Point of View Shotの略です。主観カメラで撮るってやつ。
映画の撮影用語。「POVショット」とも。
「Point of View Shot」の略で、日本では視点ショット、主観ショットなどと訳される。
カメラの視線と登場人物の視線を一致させるようなカメラワークを指し、映画に限らず、アニメーションや漫画などでも演出用語として用いることができる。
モキュメンタリーは、偽物のドキュメンタリー。
モキュメンタリー(英: mockumentary)は、映画やテレビ番組のジャンルの1つで、架空の人物や団体、虚構の事件や出来事に基づいて作られるドキュメンタリー風表現手法である。モキュメンタリーは「モック」[1]と、「ドキュメンタリー」のかばん語であり、「モックメンタリー」「モック・ドキュメンタリー」ともいう。また、「フェイクドキュメンタリー」と呼ばれる場合もある。
アルパカ
この2つを使ったゾンビ映画&B級映画は多いのですが、本作では
- カメラマンが主観で撮ることに「理由」があった
- モキュメンタリー自体を扱ったモキュメンタリーという二重構造だった
という点が面白いポイントでしたね。
…とまあ、そんな感じで最高だった「カメラを止めるな」。
2回目の鑑賞では「前半パート」から笑えてくるという、また違った映画体験が出来るのでオススメですよ~
アルパカ
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登録時にもらえる「600ポイント」で
「カメラを止めるな」が今すぐ無料で見ることができます
本ページの情報は2023年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
「カメラを止めるな!」が好きな人はこんな作品も好きなはず(おまけ)
「カメラを止めるな!」が好きな人はこんな作品も好きなはず…という映画をまとめました。
- 「バードマン」
- 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」
- 「CABIN(キャビン)」
- 「ゴッドタンキス我慢選手権 THE MOVIE」
- 「ラヂオの時間」
- 「桐島、部活やめるってよ」
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長回し映画の名作「バードマン」
直近だとバードマンが長回し(ワンカット)で撮られていましたね。
※厳密にはワンカットではなく繋げている箇所もあるようです
第87回アカデミー賞(R)で最多4冠!(作品賞/監督賞/脚本賞/撮影賞)全編1カットかと見紛う長回し映像で圧倒的なリアル感と臨場感は必見!!かつてスーパーヒーロー映画で大スターとなったが仕事も家族も失った落ち目の俳優が、復活を賭け奮闘する様をブラックユーモア満載で描く、人生再生のドラマ。
低予算&POV手法の先駆「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」
低予算&POV手法で、世界中で大ヒットしたのが「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」です。
1994年10月、映画学科の学生3人がドキュメンタリー映画制作中にメリーランド州バーキッツビル近くの森で消えた。一年後、彼らの残したフィルムが発見された。
制作費は「カメラを止めるな」の2倍の600万円!
アルパカ
絶対見るべき!…ってほどではないです(個人的にはまあまあな作品の印象)
興味がある人はどうぞ。
ホラー映画好きが気にいるホラー映画「CABIN(キャビン)」
ホラー映画好きが気にいるホラー映画「CABIN(キャビン)」もオススメ。
これもネタバレ無しで見てほしい作品ですねー。
あらすじは、あえて載せませんw
ワンカット風バラエティ「ゴッドタンキス我慢選手権 THE MOVIE」
深夜バラエティのゴッドタン名物企画「キス我慢選手権」。
芸人がキスを我慢するだけの企画だったのですが、劇団ひとりとセクシー女優とのアドリブ演技が好評すぎて、ついに「映画化」しました。
映画でも、主演の劇団ひとりのアドリブが冴え渡りますしワンカット風の撮影が多々行われています。
「映画が作られていく様」を観客みんなで笑うという「カメラを止めるな!」に近い楽しみ方の作品です。
上田慎一郎監督が推薦する三谷幸喜映画3本
上田慎一郎監督が影響を受けたのは、三谷幸喜さんらしいです。
でも特に影響を受けているのは、やっぱり三谷幸喜さん。
『ショウ・マスト・ゴー・オン 幕を降ろすな』っていう舞台があるんですけど、それがすごく好きで。
あと『12人の優しい日本人』とか『ラヂオの時間』。
この3本は影響がでかいと思いますね。
【Director’s Interview Vol.7.1】上田慎一郎監督は如何にして『カメラを止めるな!』を作ったのか!?~前編~ :3ページ目|CINEMORE(シネモア)
三谷さんも、良質なバラエティ映画を作り続けている監督です。
言われてみれば、今作もかなり近いものがありますね。
特に「ラヂオの時間」は、「カメラを止めるな」と近い作品かも
ゾンビ映画のスピリットを受け継ぐ主人公「桐島、部活やめるってよ」
「桐島、部活やめるってよ」も名作邦画です。
ゾンビ映画を撮る「制作にかける思い」 を知ると、「カメラを止めるな!」にかける創作の情熱を感じられるかも。
とりあえずU-NEXT加入していたら「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と「桐島、部活やめるってよ」が見放題なので、観てみると良いでしょう。
アルパカ
私は"面白さ"の意見が少し違います。
この映画の面白さって、
「こんな糞映画作りやがって」という怒りからの「面白いじゃん!」という観る側の感情の振られ方にあると思います。
正直、この作品が「劇中作」ではなく「劇中作の劇中作」であることって、
映画が始まって5分程度で気づけると思うんですよ。
だって、それ以外に満足させられる終わり方が見当たらないから。
なので、「実は劇中作も劇中作でした」という点に重きは全くなく
単に、駄作だと思いきや、めっちゃ笑えた というあるしゅの解放感が素晴らしいのだと思います。
まずそうと思ってたものが、実は美味しかったら、
とびきり美味しかったという印象になる。そんな感じだと、私は思いました。
あらすじって書いてあるから来たのに
こんなクソ映画で度々引き合いに出される 三谷さん
不憫でなりません
びんびんだぜ
良いセリフですよねww
これ、10年前大ヒットした、アニメ涼宮ハルヒの憂鬱の構成まんまパクリで草だった
第一話で映画ながして
あとから、なぜこのシーンで不自然にカメラが揺れたのか!?っていう伏線回収するとこまでまるで一緒
アニメからパクれば大衆にはバレないと思ったんだろうね
申し訳ないです。初めてテレビ放映になるまで待っていました。前評判がどうとかネットの評価が抜きで、伏線回収がいいとか世間の評判がわからなくなりました。人様の意見なしで評価する難しさをかんじました
ただただつまらなかった。